ソフトウェア研究室

#02 出逢いは大切

TOPIC 01の総ソフト数の話にも関わってきますが、ソフトの発売情報をくまなく取り込むというのは、なかなか大変なことです。一歩間違えれば見落としていたというソフトは少なくありません。いってみれば「一期一会」ともいえるような出逢いがいくつもありました。

ブングマン」(システムサポート京都)はそんなソフトのひとつで、存在を知ったのは雑誌『THE SOFTBANK』(日本ソフトバンク発行)によってでした。この雑誌は小売店向けのソフトカタログといった感じの雑誌で、ある号に「ブングマン」が小さく紹介されていました。

しかし、これ以外の雑誌でこのソフトを取り上げているのを目にしたことはありません。広告すら見かけませんでした。ですので、もし『THE SOFTBANK』をチェックしなかったら、このソフトは埋もれたままになっていたはずです。

そもそも『THE SOFTBANK』自体も調査開始時にはその存在を知らず、同じ日本ソフトバンク発行の『Oh!FM』誌上の広告で見て調査の対象としたという経緯がありました。まさに綱渡りで取り込めたソフトでした。

こういう、世にほとんど知られていないソフトを発掘できたというのは大きな喜びですが、後に「ブングマン」の作者の方から連絡をいただき、掲載したことを喜んでいただけたのは、こちらとしてもうれしかったですね。

クフの宝剣」(オムロンマイコンシステムズ)は、雑誌にすら登場しなかったソフトです。もちろん富士通のカタログなどにも載っていません。それがなぜリストに入っているのかといいますと、当時(FM-7の現役時代)私は、雑誌などを見て面白そうなソフトが出るのがわかると、購入候補として逐一ノートに記録していました。実際に買う、買わないは別にして、とりあえず次々とリストアップしていたのです。

このノートはそれから十数年そのままになっていたのですが、サイト制作中にふと見つけ、そこに雑誌の調査では発見できなかった未知のソフトである「クフの宝剣」が記入されているのに気付きました。

発売元のオムロンマイコンシステムズは、銀座に「マイコンベース銀座」という大型パソコンショップを出店していました。当時たまに足を運んでいたのですが、おそらくそこでこのソフトを目の当たりにして興味を抱き、ノートに書き加えたんだと思います。もしショップで見かけなかったら、見たとしてもメモしなかったら、やはり埋もれたままになっていたでしょう。

しかし、このソフトが発売されていたという明確な資料はありません。ノートに記録してはありますが、そもそもショップで見たという記憶はほとんど残っていません。「見たような気もする」という程度です。同社からはほかに「POKER」というゲームも出ていますが、こちらは広告にも載っていますし、雑誌でも紹介されていました。それなのに「クフの宝剣」が出版媒体では(調査した限りでは)記載が皆無というのは不自然な気もします。ただマイコンベース銀座の雑誌広告に『懸賞付謎解きクイズ オリジナルゲームソフトプレゼント』という告知があり、これが「クフの宝剣」を指しているという推測もできるのですが・・・。

スイカ畑の人形たち」(エス・ディー・ビー)は、ひとつの教訓となったソフトです。このソフトの情報元は『マイコン』(電波新聞社発行)誌上の広告でした。『マイコン』は『I/O』同様、広告の多さが特徴的な雑誌でしたが、ゲーム関係の広告はそれほど多くなく、しかも『I/O』と重複するものが多かったので、一時は調査の対象から外していました。しかし念のためチェックしてみたら、このソフトが見つかったというわけです。しかも、広告が出たのは一度のみでした。やはり調査できる範囲のものはできる限りチェックし、同時に見落としのないように丁寧に行なわなければならないことを教えられました。

これらは危ないながらもなんとか取り込めたソフトですが、逆にいうとちょっとしたことで見落としてしまっているソフトもあるかもしれないということです。そういうものは調べようがないのでやっかいです。まあ、例え漏れていても誰から文句を言われるわけではないのですが、ここまでやったらやはり完璧に近づけたいですね。


公開日:
2003年08月23日
更新日:
2007年06月21日