ソフトウェア研究室

#08 「オフィスラブの手ほどき」の謎

CSKソフトウェアプロダクツのアダルトゲームである「オフィスラブの手ほどき」ですが、当ミュージアムではこのタイトルの作品のほかに、「オフィスラブの手ほどき ランチタイム編」のタイトルのものも掲載しています。ですが実は、この両者が別の作品なのか、同一作品なのかがよくわかっていません。

ログイン1984年5月号

きっかけは、調査中に見た『ログイン』1984年5月号の「NewSoft」のコーナーでした。そこにこの作品が紹介されていたのですが、タイトルを見ると「オフィスラブの手ほどき ランチタイム編」となっています。「オフィスラブの手ほどき」の存在はすでに知っていましたが、「ランチタイム編」と付いているケースは初めて見ました。

このような副題が付いているということは、「ランチタイム編」ではない「オフィスラブの手ほどき」があるとも考えられます。ですが、そのような作品の存在は見聞きしたことがありません。この作品が雑誌で取り上げられることはあまりありませんでしたが、たとえば『アソコンすぺしゃる』VOL.1で紹介されているものを見ると、単に「オフィスラブの手ほどき」となっていて、「ランチタイム編」の文字はありません。ですので、「オフィスラブの手ほどき ランチタイム編」=「オフィスラブの手ほどき」なのだといったんは理解しました。

しかし、富士通発行のソフトウェアカタログに「オフィスラブの手ほどき」の名前を見つけたことにより、事情は変わります。このカタログの発行は1983年5月。前述の『ログイン』1984年5月号では新作ソフトとして紹介されていたのに、1年前に発行されたカタログにすでに載っていたわけです。となるとこれは、「ランチタイム編」ではない「オフィスラブの手ほどき」と考えるのが妥当ではないでしょうか。つまり「オフィスラブの手ほどき」は、無印版と「ランチタイム編」の2作があったのでは?ということになります。

カタログ発行時にはすでに発売されていたと考えると、「オフィスラブの手ほどき」が1983年5月以前に発売され、続編(?)である「ランチタイム編」が1984年に発売、と推測できます。これなら「ランチタイム編」という副題が付けられているのも納得できます。

ですが、この富士通のカタログ以外に旧作の存在を示す資料は目にしていません。ただ一つの手掛りという、心細いものです。このカタログも記載ミスが目立ち、実際は発売されていないソフトもリストに載っているなど、100%信用のおけるものとはいえません。

富士通ソフトウェアカタログ

カタログには「オフィスラブの手ほどき」と並んで、「真夜中のはめ絵」、「ラブアドベンチャー」、「ロリコンブロック」の3作が、同じCSKソフトウェアプロダクツ作品として掲載されています。これらは「ソフトポルノパーティーシリーズ」として発売されていた一連のアダルトソフト群に含まれるものだと思われますが、このシリーズで存在がはっきりしているのは「セーラー服と野球拳」のみです。他のものは「オフィスラブの手ほどき」を含めて、画面写真すら見たことがありません。本当に発売されていたのか、非常に怪しいというのは否めないでしょう。

このシリーズに限らずCSKの初期作品は不明な点が多く、全容を解明するのはなかなか困難です。当時CSKでは『LOOP』という情報誌を発行していたようですが、未見のこの冊子をチェックすることができれば、その一端でも明らかになるのでは、と思うのですが・・・。

追記:その後、この『LOOP』を1冊入手したのですが、その号には手掛かりになるようなものは見出せませんでした。


公開日:
2004年06月15日
更新日:
2010年05月27日