ジェムストンウォーリア

その国は、今まさに減亡への道を歩もうとしていた。邪悪で醜い悪魔が城を襲い、平和と繁栄と幸福の源である、ジェムストンを奪っていってしまったのだ。

国は荒廃した。ジェムストンの力により築き上げられた黄金の社会は腐食し、疫病やキキンが国中を吹きぬけ、わずかに残された魔法の品物をめぐって凄まじい争いが引き起こされた。

一方、悪魔たちはジェムストンの力により、究極の力を得ることを考えていたのだが、その力が人間にしか使えないものであることを知ると激怒した。そしてそれが二度と使いものにならないよう、憎しみをこめて壊してしまった。五つの破片となったジェムストンを彼らは自分たちの住み家の奥深い所へ封じこめた。

人々は絶望に明け暮れた。ジェムストンを失なった人間など、悪魔にとってはもはや敵ではない。地上への通路となっている火山口から出てくると、思うままに地上を荒らし、金、宝、そしてわずかに残された魔法の品物までをも奪い取った。墓をあばき、金目の物を取り、今は人間の感情を持たないガイ骨を自分たちの住み家を守るための奴隷としてこき使った。

人間に残されたたったひとつの希望は、ジェムストンを正統な持ち主である自分たちに取り戻してくれる英雄が、きっと現われることを信じることだけだった。今までに自ら志願して行った何人かの英雄たちは、ことごとく打ち負かされ、今では悪魔の手先であるガイ骨になり下がっている。

そして今、国王は最後の手段として、あなたにその命を下した。この地上に住むたくさんの人々に残されたたったひとつの希望を、あなたに託したのだ。

『勇敢な戦士よ、そなたの使命は宝玉の五つの破片を全て寺院に持ち帰ることだ。まず、地の国への洞窟を通り、迷宮へ行く道を見つけなければならない。そして迷宮へ入り、五つの破片をみつけたなら、回転する門から脱出し、宝玉を寺院の祭壇へ戻すのだ。さあ、急いで行け。見事、立ち戻りし時は世界の人々から英雄としての名誉ある出迎えを受けるであろう。

神のご加護を……。勇敢な戦士よ！』

マニュアルより