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オルリー空港殺人事件
- 1983年
徹底研究/オルリー空港殺人事件~プログラム解析
プログラム構成
プログラムは4本のBASICプログラムから構成されています。
# | ファイル名 | 種別 | 内容 |
---|---|---|---|
1 | OLY | BASIC | タイトル |
2 | OLY1 | BASIC | プロローグ、ゲーム説明、遺留品調査 |
3 | OLY2 | BASIC | パリ市内捜査 |
4 | OLY3 | BASIC | エピローグ |
いずれもPオプションのプロテクトがかけられていますが、UNLISTはかけられていません。
さらに、「OLY1」終了後のデータセーヴ時に2本のファイルが生成されます。
# | ファイル名 | 種別 | 内容 |
---|---|---|---|
5 | GS | マシン語 | 中間色ペイントルーティン? |
6 | D | データ | ゲームデータ |
この2つのファイルは、「OLY2」開始後に読み込まれます。
コマンド一覧
使用可能なコマンドは大きく5種類に分けられ、配列変数に読み込まれます。
DO$( ) | |
---|---|
0 | イケ |
1 | モドレ |
2 | カエレ |
3 | アルケ |
4 | ハシレ |
5 | ハイレ |
6 | キケ |
7 | タズネ |
8 | シラベ |
9 | ミロ |
10 | キキコミ |
11 | サガセ |
12 | シロ |
13 | ヒロエ |
14 | ウゴカセ |
15 | トレ |
16 | タタケ |
17 | アケロ |
18 | ミセロ |
19 | ヨベ |
20 | トリシラベ |
21 | ドツケ |
22 | ナグレ |
MO$( ) | |
---|---|
0 | バック |
1 | カバン |
2 | サイフ |
3 | カネ |
4 | パスポート |
5 | モチモノ |
6 | テチョウ |
7 | タバコ |
8 | ライター |
9 | サケ |
10 | コウスイ |
11 | カメラ |
12 | フィルム |
13 | メモ |
14 | ウデドケイ |
15 | スーツ |
16 | スラックス |
17 | ニオイ |
18 | イルイ |
19 | ミヤゲ |
20 | ナマエ ※ |
21 | シュミ ※ |
BA$( ) | |
---|---|
0 | ケイサツ |
1 | トリシラベシツ |
2 | ゲンバ |
3 | ホテル |
4 | レストラン |
5 | ニッコー |
6 | JAL |
7 | モンマルトル |
8 | エッフェル |
9 | ノートルダム |
10 | ムーラン |
11 | ルーブル |
12 | オペラザ |
13 | ガイセンモン |
14 | オルリー |
15 | ルイヴィトン |
16 | ランセル |
17 | セリーヌ |
18 | ディオール |
19 | カルチェ |
20 | ローラン |
SI$( ) | |
---|---|
0 | アリバイ |
1 | ドウキ |
2 | シイン |
3 | キョウキ |
4 | ゼンカ |
5 | キョウハン |
6 | モクゲキ |
7 | ハンコウジ |
8 | メンシキ |
9 | キキコミ |
10 | ユス |
11 | キョウカツ |
12 | モラウ |
13 | ワタス |
JI$( ) | |
---|---|
0 | カナエ |
1 | アキナ |
2 | ノヤマユウイチ |
3 | ドロンコ |
4 | オギノキョウコ |
5 | アラガキ ナオコ |
6 | ダジャーレ |
7 | ルーバン |
8 | シャロン |
MO$の20,21は「OLY2」でのみ読み込まれます。
特殊コマンド
以下のコマンドは配列変数には読み込まれず、単独で使われます。
# | コマンド名 | OLY1 | OLY2 |
---|---|---|---|
1 | ソウサオワリ | ○ | ○ |
2 | デンワ | - | ○ |
また、「キケ」のあとに入力する目的語は配列変数を参照せず、その場面ごとに判断されています。おもに「ノヤマ」、「カワッ」(「変わったところ」の省略形)、「アリバイ」、「シュミ」などを入力できます。
変数
現在いる場所は変数SCで表わされます(ちなみに「ポートピア連続殺人事件」もSCを使っています)。しかし、すべての場面がプログラムされてはおらず、実際使用されている(行ける)のは白色で表記した約半分のみです。使われていない場所は、プログラムリスト中のREM文に痕跡が残っているだけです。
SC | 場所 | SC | 場所 |
---|---|---|---|
0 | 警察 | 13 | 凱旋門 |
1 | 取調室 | 14 | オルリー空港 |
2 | 現場 | 15 | ルイヴィトン |
3 | ホテル | 16 | ランセル |
4 | レストラン | 17 | セリーヌ |
5 | ニッコー | 18 | ディオール |
6 | JAL | 19 | カルチェ |
7 | モンマルトル | 20 | ローラン |
8 | エッフェル塔 | 21 | 未使用? |
9 | ノートルダム寺院 | 22 | ホテルのフロント |
10 | ムーラン | 23 | ルイヴィトン内 |
11 | ルーブル | 24 | 未使用? |
12 | コンコルド | 25 | ホテルの社長 |
クリアーするために必要な変数、いわゆるフラグは、配列変数SOで表わされます。
SO() | 内容 |
---|---|
0 | パスポートを調べたか? |
1 | サイフ、またはパスポートの匂いを調べたか? |
2 | 香水の匂いを調べたか? |
3 | 手帳を見たか? |
4 | 未使用? |
5 | 未使用? |
6 | ニッコーで「コウスイ シラベロ」を実行したか? |
7 | 未使用? |
8 | キョウコに趣味を訊いたか? |
9 | メモを調べたか? |
10 | キョウコに好きな香水を訊いたか? |
クリアー条件
「OLY2」で「ソウサオワリ」と打ち込むと、犯人の名前とその理由・証拠を入力するように求められます。ここで正解すればエピローグに突入し、ゲームクリアーとなります。エピローグ(「OLY3」)のロードが終わると再び犯人名の入力を迫られますが、これは、クリアーしていないのにいきなりOLY3をRUNしてエピローグを見ようとするのを防止するためだと思われます。
プログラムリストを見ると、「キョウコ」という犯人名をチェックしているのはよいとして、理由・証拠のチェックは「シャネル」の1語が含まれているかどうかのみ。つまりシャネルの匂いがどうとかは打ち込む必要はなく、ただ単に「シャネル」と入力すれば通過できてしまうのです。
またチェックしているフラグは、SO(1)、SO(2)、SO(3)、SO(8)、SO(10)の5つ。以上を満たしていれば「カンペキデス」と褒められます。