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トリダンタル
- 1983年
徹底研究/トリダンタル~ゲーム展開-04
こちらもホテルへ戻ります。ヘンリーをどうやって捕まえるかが問題ですが、見るとホテルの前にタクシーが! ヘンリーは、おそらくこれに乗って空港へ行くのでしょう。これを利用しない手はありません。ということで麻酔ガンで運転手を眠らせ、タクシーに乗り込んで運転手になりかわります。
眠らせたあと本部へ行けばゲームクリアーとなります。エンディングは、メッセージが表示され、短い音楽が流れるだけの簡素なものです。
最後には「次の指令を待て」とありますが、このゲームの続編が予定されていたということでしょうか? 結局それは日の目を見ることはありませんでしたが……。
ゲームを終えて
ゲームの発想自体は悪くないと思います。単純な一本道ではなく、プレイヤーの行動によって展開が変わるというシステムは、この時期のアドヴェンチャーゲームとしてはなかなか斬新だったと思います。スパイを題材にしているのも、このシステムにマッチしていました。
コマンド選択式、直接移動方式、アニメーションといった要素も、これが元祖だとは言い切れないものの、早いうちから取り入れたということで、目を惹く要素です。ほかのゲームとはひと味違うものにしようという作者の意気込みは感じられます。
それだけに、完成度の低さは残念です。グラフィックスと音楽はチープですが、これはある程度仕方のないところでしょう。当時のゲームはこの程度のものは少なくありませんでしたし、今見れば味のあるものともいえます。問題は作りが粗いことで、特にバグの多さは目を覆いたくなります。エラーで止まったり、ダブルクォーテーションの閉じ忘れなどは、市販ソフトとしては落第ものです。フロントマン以外の人物の姿が描かれないのも寂しいところです。
ゲーム展開もちょっと無理があり、フロントマンが実は敵の一味だったり(その手掛かりは示されない)、メモを燃やさなくてはならなかったり(そういう指示はない)、不親切ともいえる作りです。せっかくの題材、システムが活かされていないのが惜しまれるところです。