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トリダンタル
- 1983年
徹底研究/トリダンタル
ゲーム概要
パックスソフトニカがまだイマージュソフトと名乗っていた頃に発売されたアドヴェンチャーゲーム。目立ったヒット作を出せなかった同社ですが、本作もほとんど話題にはならず、名前を知っている人はわずかだと思います。
プレイヤーはスパイとなって任務を遂行するという内容ですが、スパイというのはいかにもアドヴェンチャーゲーム的な存在です。「カブールスパイ」、「ミッションインポシブル」、「ジ・エージェント」など、スパイを題材としたアドヴェンチャーゲームは少なくありません。
特徴的なのは、コマンド選択式を採用している点。アルファベットのA~Zに動詞、目的語が割り当てられており、いちいちコマンドを打ち込む必要はありません。「オホーツクに消ゆ」以降全盛となるこの方式ですが、それを先取りしていたともいえます。もっとも、本作がこの方式を採用したのは、「Ultima」からの影響だと思われますが。
また、プレイヤーの行動によって展開が変わるという点も目を惹きます。わりと自由度は高く、さらには乱数も絡ませているので、単なる一本道の展開にはなっていません。ほかにも、画面の一部でアニメーション処理を行なっていたり、普通のアドヴェンチャーゲームとはひと味違ったものを見せてくれています。
とはいえ、場面数は多くなく、グラフィックスも稚拙で、完成度の高いゲームとはいえません。バグも多数ありますし(それもエラーメッセージを出してストップしてしまうお粗末なものまである)、ゲーム展開もちょっと無理がある気もします。
なお、広告には『待望の本格的ロールプレイングゲーム』とあるのですが、ロールプレイングというには無理があるでしょう。これは、当時日本ではRPGがあまり知られておらず、「コマンド選択式である」、「行動によってゲーム展開が変わる」、「乱数を使っている」などの点から、発売元がRPGだと判定してしまった結果だと思われます。