2018年9月10日にOh!FM-7を更新しました。
更新情報はこちらです。
今回の更新では、FMシリーズ用に発売されていた周辺機器関連のソフトを新たに2つ加えました。
まず、アスキー(正確にはアスキーコンシューマプロダクツ)から発売されていた「MICRO・FONT-FM8」です。これは、FM-8でオリジナルのフォントを表示させることができるというもので、X1などに搭載されているPCGと同じようなハードだと思います。実際広告などでは、「Programmable Character Generator」と謳われています。
これの付属テープにデモ、フォントデータ3種、フォントエディター、ゲームが収録されており、このうちエディターとゲームを追加しました。とはいっても、実はゲームのほうは「アスキー」1982年11月号にプログラムリストが掲載されていることもあってすでにピックアップ済みだったのですが、このハードのサンプルゲームということがはっきりわかるような構成にしました。
このゲームは、当然MICRO・FONT-FM8がなければ遊べないわけですが、キャラクターが正しく表示されないのを気にしなければ、プレイ自体は可能です(下部スクリーンショット)。
現状ではどのエミュレーターもこのハードはサポートしていませんので本来の画面表示は行なえませんが、ROMファイル(SUBSYSCG.ROM)内のフォントデータを直接書き換えるという手段で、動作画面を再現してみました。
キャラクターのデータはプログラム掲載誌にリストと共に載っていますので、これをデータ化してROMを書き換え、XM7で実行させました。それが下の画面ですが、やはりよりゲームらしい画面となっています。
もうひとつは、同じくアスキー(これも正確にはアスキーコンシューマプロダクツ)から発売されていたジョイスティック「クイックショット」です。「ログイン」1983年9月号に掲載の広告によると『ゲームソフトとして三次元迷路がついている』とあるのですが、これまで完全に見落としていました。フォーラムでクイックショットについての書き込みがあったため気づいたのですが、それがなければ未掲載のままになっていたかもしれません。
ただ、その広告には画面写真は載っていませんし、インターネット上でも情報は見当たりませんので、どんなゲームだったのかはまったく不明です。
なお、そのフォーラムで書き込んだように「Oh!FM」1984年9月号のジョイスティック製作記事中にもサンプルゲームが掲載されており、当ミュージアムには未掲載だと思ったのですが、よく見たら掲載済みの「SPEED TRAP」がそれでした。
記事中にはこのサンプルゲームのタイトルがどこにも記載されていないのでそれとは気づかなかったのですが、目次ページに「SPEED TRAP」と記載されていました。肝心の記事中には記載がなく目次にあるというのは珍しいケースですが、ミュージアム掲載時に把握済みだったはずなのに、すっかり忘れていました(^^;
ほかの新規追加ソフトは、書籍掲載プログラムからのピックアップとなりますが、いずれも国会図書館での調査の成果です。しかし未調査の書籍はまだ数多く残っており、道程は長そうです。
スクリーンショットの追加は、本ブログの前回の記事でご紹介した、「Program List OCR」を使った打ち込み作業でイメージ化したプログラムのうちの3本分(さらにそのあと、「パソコンで銀河の渦状腕を作るシミュレーション」も打ち込みました)を掲載。
ほかに「Oh!FM」掲載プログラムを何本か加えていますが、これらはいずれも当時打ち込んだりしており、イメージ化もずっと前に終えていたのですが、なぜかスクリーンショットを掲載し忘れていたので、今回追加しました。
それから雑誌&書籍のカテゴリーには、「FMシリーズ ソフトウェア集」を2冊追加しました。これは富士通が発行していた、FMシリーズ用のアプリケーションカタログですが、不定期に発行されており、各年ごとに、あるいはトータルで何冊出ていたのか、把握できていません。前回の更新までで16冊分を掲載していましたが、今回オークションで2冊を入手することができ、これで計18冊となりました。
その追加の2冊は1983年の5月版と8月版で、比較的古いものです。未知のソフトがこの中に眠っていれば新発見となるのですが、光栄の「森の都の10の魔法」、デービーソフトの「怪盗ストルン」といった、これまで当ミュージアムには未掲載の名前が見出せました。しかし、前者は現物はもちろん、広告などでもまったく目にしたことがなく、実際は発売されていないことが確実ですし、後者は他機種版は出ていましたが、FM版は発売されていないことがこれもほぼ確実です。
もともとこのカタログのシリーズ、特に初期のものは不正確で精度が高くないので、こういった誤った情報が少なくありません。結局新たな発見はありませんでしたが、カタログ自体は貴重なものであるのは確かなので、入手できたのはよかったです。